雑草管理の国内先進事例、沖縄の性能規定型管理法

雑草大国日本!

日本ではあちこちで雑草が繁茂しているのを見ますが、こと雑草管理においては世界から大幅に遅れているだけでなく、雑草に関する法整備という面も世界基準から外れています。

日本と世界の雑草管理の違いを米軍基地で見る

法律の違いは産業面には特に深刻で非関税障壁になりかねません。

実際にイギリスでは企業が管理する敷地内に雑草が繁茂し、それらが私有地に侵入してきたとして訴えられ賠償金が確定した事例もあります。

海外の雑草事情

また最近では中古車の輸出コンテナに雑草種子が混入していたとして輸出がとめられたこともあります。

北米向け工業製品に付着する雑草種子について(植物防疫所HP)

実はこの法律については最近日本も動きがあったのですがこれについてはまた別の機会に紹介したいと思います。

さて、農地においては清耕栽培ということで雑草の管理が適正かどうかはともかくされていますが、問題は公共緑地です。

草生栽培と清耕栽培と地温

特に道路や水路はインフラとして重要ですが、雑草が広まる助けともなっており、雑草インフラにもなっています。

その道路緑化帯の雑草管理について新しい管理の仕方をすることで雑草問題を解決しようと動き出した自治体があります。

沖縄県です。


沖縄県で始まった雑草ゼロ作戦

道路緑化帯、と聞いて最近ニュースになったのはビッグモーター事件ではないでしょうか?

この問題も様々なことが背景にあるのですが、詳しくはリンク先をご覧になっていただければと思います。

ビッグモーター街路樹事件の問題点

道路の周りにある緑地、道路緑化帯があることでかえって景観を損ねていたり、交通事故が誘発されていたりするということは皆さんも割と納得できるのではないでしょうか。

道路緑化帯って何?その機能は?!

そんな中この問題を本気で解決しようと動き出したのが沖縄県です。

県庁の方に話を伺いにいったところ、沖縄は国内有数の観光県、しかもきれいな海を求めてこられる方が多い中雑草があまりに繁茂していてはその価値が悪くなってしまう。

そんな背景から雑草を如何に繁茂しないようにするか?!を考えたそうです。

そこで生み出されたのが性能規定型管理手法です。

仕様規定型と性能規定型による緑地管理の違い

この性能規定型で沖縄県が定めた条件は一年を通して40センチ以下にすること、というもの。

この40センチというのはドライバーが子供が沿道にいるのを目視で確認できる程度の高さとして定めたということです。

40センチなど亜熱帯気候である沖縄県では1カ月もせずに伸びてしまうこともあります。

そこで従来の年に二回刈取りなどの仕様規定型方式ではとても適正管理ができないということでこの手法を取り入れました。

業者からすれば年二回の刈取りでは全く足りないため刈取りだけで対処するのであれば大赤字ですが、やり方は自由に業者の方で選ぶことができるため、その専門的な知見を活かして除草剤の散布、カバークロップの利用、防草シートの利用等効率的な雑草管理が可能となります。

ここで除草剤の使用は問題になることが多いように思いますが、実際除草剤を使用しても人的はもちろん環境的にも影響がほぼ認められないということが皮肉なことにビッグモーターの事件で明らかになったように思います。

ビッグモーター除草剤事件から緑地管理を考える

ニュースでは原液に近いものを散布していたと目にしましたが、それにもかかわらず周辺住民から健康被害が聞こえてきません。

もちろん沖縄の業者は適正倍率、使用を守り、公園や住宅地、畑の近くでは散布しないなど配慮もされてあります。

雑草を放置することで起きるデメリット、景観が悪くなることでの観光収入減少、見通しが悪くなることでの事故誘発、雑草を介しての病害虫の伝染・害獣の増加、トゲや有毒植物による直接的な傷害等と適正管理で使う除草剤のデメリットを比べればどちらが大きいかすぐにわかるはずです。

実際に沖縄県でアンケートを行ったところ、除草剤の使用について道路の沿道緑化帯に関しては除草剤を使用しても問題ないと答えた方が圧倒的に多かったです。

この沖縄県の取組ですが、既に2年が経過していますが反響はよく、対象道路を徐々に広げていく予定だとのことでした。