ミネラルはどこからくるのか

奥出雲にいって鉄について色々学んできましたが、この鉄は花崗岩に含まれるとあちこちで目にしました。

植物にとって鉄は非常に重要な要素ですが、そもそも土壌中にどれくらい含まれているのか?

鉄と植物

奥出雲のように豊富に鉄が含まれているところもあれば、そうでないところもあると思いますが、およそ土壌中には3%ほど含まれているようです。

地球全体でいうともっと含まれていて、地殻やマントルなどまで含めると30%以上は鉄、マントルや内核はその組成の大半が鉄と言われています。

鉄をはじめとした鉱物はどのように地表に送り出されるかというと噴火、ですね。

しかし地上に出てくるマグマがマントルの中にある組成のまま出てくるかというとそれは違います。

地下からマグマが上昇してくると、ある一定の深さで浮力と重力のつり合いが取れた場所で滞留します、これをマグマだまりといいますが、このマグマだまりや、上昇してくる過程で他の様々な物質を含んだり変成したりしてその組成を変えます。

マグマが上昇を始めた直後はケイ素が少なく鉱物が多い玄武岩質マグマだったのが、ケイ素の割合が増えます。

ケイ素の割合が増えるにつれ、玄武岩(二酸化ケイ素45~52%)から安山岩(二酸化ケイ素52~63%)、デイサイト(二酸化ケイ素63%~70%)、流紋岩(二酸化ケイ素70%以上)とそのマグマが固まったときの岩石の名前も変わっていきます。

ケイ素が増え鉱物が減るため色は白っぽくなっていきます。

田部家土蔵群の石垣は有色鉱物を比較的多く含んでいて色が青っぽい

櫻井家住宅の石垣は花崗岩質で色は白っぽくなっている

このようにマグマが途中で変性して地上に出てくるわけですが、変成具合によってその土地その土地の母岩の質がかわり、土壌の性質もかわります。

たたら製鉄の材料で使っていた砂鉄もこのベースの岩石によってその性質が違っていたようですが、その辺りはまたの機会の紹介します。