コンポストで行う街づくり

近隣の会社がコンポスト活動をされていたので話を伺ってきました。

ハコザキコンポストといいますが、コンポストを使っての小さな食循環を創出し、地域単位で長期持続的な活動として取り組みを始めようとしています。

生ごみの排出量削減、住民・公共施設や店舗、地域の関わり合いの活性化を目指す活動ということです。

インスタグラムを見るとわかるのですが、地元商店街も関わりのある活動となっています。

街づくりという視点でコンポストを取り入れるというのは、正直思いつきませんでしたし面白い試みだなと感じました。


コンポストとは?

コンポストは家庭で出た生ごみをたい肥化させるものです。

手軽にできるものでダンボールコンポストなどがありますね。

身近な材料で簡単に作れるダンボールコンポスト(出展:菜園ナビ)

菜園ナビのこちらのページでは身近な材料で簡単にできるダンボールコンポストの作り方が掲載されています。

ダンボールコンポストを作ろう!(菜園ナビ)

私自身ダンボールコンポストや専用の容器でたい肥作りをしたことがありますが、夏場は本当に気温も高く微生物たちの活動も活発なので投入した生ごみはどこにいった?と思うほど分解が早いです。

微生物たちの分解もまた土づくりを考える上では非常に重要になります。

いい土を沖縄で作るために

ただ、夏場は虫も発生しやすい、とくにウジなどが沸きやすかったイメージがあります。

密封した容器などでどこから入るのか?と考えたことがありますが、生ごみを投入した後にかき混ぜるスコップを外に出しておくとそこに卵を産み付けられ、中で孵化したりするようですね。

攪拌用のスコップなどは中にいれておくか、きれいに洗って土を落とすなどすると虫のリスクは下がるかもしれません。


コンポストのメリットデメリット

コンポストで生ごみたい肥を作ると如何に生ごみが多かったかということがわかります。

※食生活によりかなり家庭差はあるかと思いますが・・

目に見えてごみが減りますし、悪臭の元となる生ごみが激減しますのでゴミ捨ての頻度が減ります。

たい肥が手に入れば家庭菜園などをしている人であれば肥料の購入量もその分減ることでしょう。

デメリットとして臭いをあげる人がいますが、実はコンポストで作る生ごみたい肥からはあまり嫌な臭いはしません。

嫌な臭いがする場合はうまくたい肥化が出来ていないケースが多く、投入するゴミの量や内容物を見直すと大体改善します。

とはいえ、今臭い!という方はコンポストなどと一緒に販売されている微生物資材や、乾いたパン粉、米ぬかなどを入れてあげると改善することが多いです。

これは嫌な臭いは水が多すぎる状態でアンモニア発酵している場合が多いため水分量調整してあげると改善傾向になります。

ここまでは利用者視点でしたが、社会的視点でメリットをあげると単純にゴミが少なくなることですね。

生ごみは多くの場合燃えるゴミで処理されると思いますが、燃やせば当然二酸化炭素がでますし、それを運ぶコストもかかります。

各個人がコンポストをやるコスト(置く場所・生ごみをそこに入れて混ぜる等の労力等)さえ気にしなければ社会的にはデメリットはないのではないかなと思います。


都市部で行うコンポストの難しさ

都市部でのコンポストの難しさというと臭い、とあげる人がいるかもしれませんが、それは前段で紹介した通りイレギュラーな問題で本来あまり問題にはなりません。

都市部での難しさとは土が少ないことです。

表土の大事さ

私が街づくりでコンポストを利用しようと思いつかなかった点はここにあります。

基本的にコンポストは自分で作って、自分で使う。という頭があったためです。

家庭菜園など野菜や花を栽培している人であれば使い道はありますが、日々出る生ごみから作られるたい肥はプランターで少々作っている程度では消費できないくらい量ができます。

日本の都市部は本当にアスファルトコンクリートでおおわれている為、せっかく作ったたい肥も使い道がないというのが難しさかなと考えます。

アスファルトが多い都市部は花粉天国


コンポストで繋がる地域

今回の取組では商店街連合も関わっており、その構成を聞くと都市部ならではのコンポストの使い方だなと感じました。

各家庭から出る生ごみをコンポストにいれ、たい肥化する。

もちろん自分で使ってもいいですが、余った分は集めて地域で管理する花壇に使うというものです。

最上段の写真はまさに沿道にある花壇にコンポストたい肥をいれたもので地域の子供たちに参加してもらったとのこと。

沿道緑地などはタイムリーに問題になっていますね。

ビッグモーター街路樹事件の問題点

こういった取り組みもあってか地域の人が管理している道路はかなりきれいに整備されています。

もう一つこれから取り組もうとされているのは飲食店の参画です。

飲食店からは大量の生ごみがでますのでそれをたい肥化するのは色々ハードルがありますが、まずはそちらではなく、近隣住民の生ごみで作ったコンポストたい肥を集めて飲食店に野菜を売っている(売りたい)農家に提供。

農家はそのコンポストたい肥を使って野菜を作り、その地域の飲食店に野菜を販売することで地域内循環ができるというものです。

この各家庭のコンポストたい肥を集めて使うという発想はなかったです。

正直なところ農家がコンポストたい肥を使うというのは色々デメリットも多いので簡単にはいかないかと思いますが、コンポストたい肥ができるまでの物語、そして地域内での循環の絵図が描けるとストーリーになりますし、飲食店に野菜を売りたい農家からするとデメリットがメリットを上回り、取組に参加する農家も出てくるのではないかと考えます。

1 comment on “コンポストで行う街づくり”

  1. Pingback: 表土について考える – 株式会社ファームプロ

Comments are closed.