アスファルト・コンクリートに覆われている面積が非常に多い都市部。
大雨が降れば地方の田畑のように雨をその場にとどめておく場所などないため、一気に排水設備に雨水が流れ込みます。
雨量が排水設備のキャパを超えれば氾濫を起こしますが、これを内水氾濫と言います。
内水氾濫を防ぐために様々な設備が作られています。
実際に2000年頃は弊社の事務所がある場所も大雨が降れば道路が川のようになったりしていましたが、浚渫工事や排水設備の充実でほとんどそういったことはなくなりました。
最近では大雨時河川が氾濫する前に久留米大学のグラウンドに雨水が流れ込むよう工事がなされたというニュースも目にしました。
実際に久留米大学のこのグラウンドの工事には13億円ほどかかっており、こういった氾濫洪水対策などは公共事業でないと無理ではないか?!と思う人もいるかもしれませんが、本当にできることはないでしょうか?
個人でできる内水氾濫防止策としてちょっと計算をしてみます。
都市部に降った雨がどのくらい河川に流れ込むかを先日紹介しました。
重複しますが、降り注いだ雨は全て排水設備に流れ込むわけではなく、そこに透水する地面があればそのうちのいくらかはその場にとどまり地下に流れていきます。
その割合は裸地でおよそ半分、芝など植物がある場所では8割~9割が、広葉樹林地では9割以上がその地に雨をとどめてくれます。
アスファルト・コンクリートは特殊なものでなければほぼ100%が排水設備に流れ込みます。
以上のことを考慮すると都市部1,000㎡に1時間70ミリの雨が降れば排水設備に流れ込む雨水の量はおよそ64トンになります。
ここでgoogleマップで見つけたとある場所は100m×200mに3ブロック、36軒並ぶ住宅地がありました。
この区画にある住宅の駐車場もまた調べてみるとおよそ720㎡、およそ3.6%が駐車場ということになります(住宅地は道路部分も含みます)。
1,000㎡のうち3.6%が駐車場と仮定するとその面積は36㎡、これを芝に、つまりグラスパーキングに変えると上記の条件では2.142トンの水がその場にとどまり排水設備の負担を軽減します。
今アスファルトで覆われているところをわざわざはがして芝にするのは手間ですが、新しく作る施設や住宅の一部を水が通るよう芝にしたり菜園スペースを作ったりすることで排水設備への負担はかなり減らすことができそうです。
弊社も敷地の一部85㎡ほどをアスファルトから芝に変えました。
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