久留米大学の新グラウンドで貯められる雨量を考えてみた

降水量1ミリとはどういうことかというと1㎡に1ミリの雨がふったらどれくらいの雨量になるかというと1m×1m×1mm=1000㎤、つまり1リットルになります。

そして雨が降ったときに雨量のどの程度が排水設備に流れ出るかというと、およそ裸地(地面がむき出しのところ)では50~60%が、芝地など植物が生えているところでは10~20%、広葉樹林地では5~10%、アスファルト・コンクリートではほぼ100%が排水設備に流されます。

先日大雨時は久留米大学のグラウンドに周辺の雨水が集められ雨水貯留施設ができたとニュースがありました。

大雨時の住宅浸水被害防止対策

現在の都市部(集合住宅・商業施設・会社・学校・道路・公園で構成されている特定の箇所)の透水面積について調査がされていた資料を見ると調査面積388.8haのうち植生・土壌で覆われた部分(公園、道路沿いの植栽、建造物敷地内植栽)は9.4%、全不透水部分(道路・建物・建造物敷地内平面舗装部分)は90.6%となっていました。

背の高いビルは線路沿いに建っています

比較的新しい街ですので今の都市計画のスタンダードと想定し、わかりやすい広さ1,000㎡で考えてみます。

大雨時、1時間当たりの雨量では50以上80未満を非常に激しい雨と予報用語でいうようですので70ミリと想定しましょう。

1時間1,000㎡に70ミリの雨が降り注ぐと70,000リットル、つまり70トンの雨がその地域に降ったことになり、表面流水も考慮すると・・

9,4%透水面積があり、降り注いだ雨の15%が排水設備に流れ込んだと仮定すると・・0.987トン(1トンとします)の水が透水面積部分から排水設備に流れ込みます。

不透水面積からはそのすべてが流れ込んだと仮定すれば・・63.42トン(63トンとします)

平均的な都市部1,000㎡に70ミリの激しい雨が1時間降った場合に排水設備には約64トンの雨水が流れ込んだと考えられます。

1,000㎡で仮定していますので、後は福岡市民にとってわかりやすい指標でもある大濠公園ほどの広さだったとすると・・

大濠公園の広さは398,000㎡ですので、大濠公園ほどの広さの都市部に1時間に70ミリ雨がふれば排水設備には25,742トンの雨が流れ込むことになります。

先日のニュースではちょうど久留米大学のグラウンドで21,800トンの雨水を貯水可能ということでしたのでイメージがわいたでしょうか?