河川堤防で割と見かけるこの風景。
実はかなりよくない植生です。
堤防一面の菜の花は危険
景観が良いからという理由からか、意図的に種がまかれたのではないだろうか?というくらい堤防法面に菜の花が見られるところがあります。
実は堤防法面と菜の花の組み合わせは非常によくないのです。
家庭菜園をしている人はお馴染み大根も春先まで育てていればスが入り、花が咲きますが菜の花として食用出来ます。
堤防で見る菜の花もしっかりした直根で割と深く根が入ります。
一見するとしっかり土をつかんで良さそうにも思いますが、土をもって崩れないようにしてある堤防にとって菜の花はその役目に仇をなしてしまいます。
綺麗に咲いている菜の花もいずれ枯れてしまいますが、枯れると土中の根も一緒に腐敗します。
この根が微生物たちに分解され、表土が柔らかくなっていきます。
そこに大雨が降り河川が増水すれば土を流してしまい、堤防が細っていってしまうのです。
堤防法面は貧栄養管理
草が生え、根が張り、草が枯れ、微生物が分解し土は豊かになっていきます。
畑であればまさに土づくりですね。
畑は収穫物を持ちだす為肥料などを加え、土を作っていく必要があります。
しかし堤防法面では持出しがありませんので増水した河川が山々のミネラルを植物に与え、植物は光合成で炭素を固定し、空気中の窒素をも栄養源にしながら徐々に土を肥やしていきます。
堤防法面の管理でいえば、増水時に耐えるための引き抜き力や、せんだん力に強い草種が望ましいですが、その管理についても適正な管理をすることでより強固な堤防になるかと思われます。