過剰施肥しやすい背景

田畑で米や野菜を栽培するときに土づくりにしても、施肥管理にしても過剰に肥料を与えるシーンをよく見かけます。

植物が吸収できなかった肥料分は土壌に吸着されたり、雨水によって河川に流入していきます。

肥料も無料ではないのでちょうど良い量を与えたいところですが、どうしても過剰投与しやすいには訳があります。

リービッヒの最少律というものがあり、これは何かというと、植物の生長速度や収量は必要とされる栄養素のうち、その環境下でもっとも少ない者のみに影響されるというものです。

このドベネックの桶をみるとわかりやすいかと思います。

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このような桶に水を注いでいくと一番丈の浅いところから水が漏れ、それ以上水はたまりません。

植物に置き換えると、この木の板一枚一枚が窒素・リン酸・カリはじめ日射量であったり気温であったり、植物の生育に影響する様々なパラメータにあたります。

植物を栽培し収穫し販売して利を得る農業では当然生産効率を求めますが、工業と異なり自然環境はコントロールできません。

そこで投入する資材が足りずそれがブレーキとなってはもったいないので多少多めに入れてしまう。そんな心理があるのでしょう。

しかし、与えすぎるとかえって植物の生長にマイナスの効果があることもありますし、土づくりという観点からも良くないケースがありますので思い切って施肥を少し控えるということも場合によっては必要な判断となります。