沖縄での防風林の活用

防風林について調べてみると北海道での報告が多いということで北海道の事例を紹介しましたがアグロフォレストリーの話に戻し、今度は南西諸島の話に。

北海道における防風林の効果と現状

アグロフォレストリーとは

北海道は冷たく強い風から作物を守り、冷涼な気候により植物の初期成育が遅く裸地状態が長く続くので風雨による土壌の流亡を防ぐ意味合いでも防風林が大事だと紹介しました。

南西諸島も台風の影響を受けるだけでなく、近年はその台風も協力で巨大化しつつあります。

その風から作物や施設を守るという意味でも防風林は十分その効果を発揮できると思いますし、もう一つはやはり表土問題です。

気温が低く植物が育ちにくいので耕起農業を行うと表土が失われやすい北海道に対し、気温が高く多雨な気候である南西諸島では植物は育つけれども微生物の活動が活発すぎて腐植があっという間に分解され土に貯まりにくいという環境になっています。

いい土を沖縄で作るために

石垣島でアグロフォレストリーに取り組む方のページを見ると、昔はもっと海がきれいだったとご年配の方々は言うのだそうです。

アグロフォレストリーいしがき

海がなぜ汚れてしまったのか?その大きな要因が農地からの表土流出です。

農業は昔から行われていましたが、昔と異なり便利な農機具の出現で畑を全面耕起して農業を行う手法がメインになったことが大きいでしょう。

そこで防風林を設置することで土壌が雨で畑の外に流れてしまうのを防ごうというのです。

国内唯一の亜熱帯気候である沖縄は気温も非常に高くなっています。

そこで防風林を設置することで木陰を作り地温を下げる効果やそこで働く人の休憩の場所に、そしてアスファルト等で蓄熱された高温の風と農地に直接当たるのを防ぎ防風林が熱量を下げる効果もあります。

一見防風林を設置することで手間や生産性が下がるように思われますが、土壌という経営資産の保護、そして台風などによる強風の被害(島では塩害も多いでしょう)を防ぐ保険として大事なアプローチだと考えます。

特にイノシシなどによる鳥獣害や台風などによる自然災害で被害を被ると離農の直接の原因にもなりえます。

離農のきっかけにもなるイノシシの害

北海道の事例同様、防風林はいいものだから利用しよう!と何も考えずに導入するのではなく、防風林を利用するのはあくまで表土保護であったり農産物や施設に対する防御手段にすぎませんのでその場その場にあわせた考え方で樹種を選定するなど経営に防風林を育てることも落とし込んで考えることが重要かなと考えます。

北海道の農家さんたちが防風林は防風の役には立っているけど、デメリットが大きいということで伐採してしまっている事例がある通り、沖縄にしても北海道にしても「防風林」という名前から風を防ぐという役割だけを強調していて他の効果については知られていないように思います。

単純に圃場から生産される農産物だけに着目するのではなく、周辺環境も経営資産として作る。

農家さんは「土づくり」という言葉を使いますがちゃんと土壌を見て施肥設計をしている人はかなり稀です。

気候が大きく変わりつつある今圃場設計の一つの考えとしてアグロフォレストリーを検討してもいいかもしれません。