気温が高く暑くなってくると食べたくなるスイカ。
水分を豊富に含みほのかな甘さのあるスイカはよく冷やして食べたいところ。
そんな時に種が邪魔だなと思ったことはありませんか?
行儀が悪いですが口から種をペッと吐き出すのもまぁスイカの醍醐味、というのもわかりますがとある調査では7割弱の人がスイカの種が邪魔だと感じている結果もあるそうです。
さて、ブドウなどは種無しのものがかなり最近は増えてきましたが、スイカの種無しは一時期見かけたものの最近はあまりみなくなったように感じます。
そもそもどうやって種がないスイカができるのでしょうか?
種無しスイカの作り方とその味は?
種無しスイカの作り方ですが、以前から主流だったやり方としては3倍体の種子を作らせることで種子が正常に発育せず種子がないスイカを作るという手法(実は日本でこのやり方は開発されたのだそう)。
これはスイカの発芽直後に薬品処理をすることで4倍体の雌しべができます。その雌しべに通常の2倍体の花粉を授粉させることで3倍体の種子が出来るというものでした。
このやり方ですが栽培に手間がかかることや、食味が劣ったことなどから日本では徐々に姿を消していきました。
生産側で手間がかかる(コスト高になる)ことや、消費側が特に美味しいと思わなかったことから社会から消えて行ってしまったのでしょう。
日本で生まれたこのやり方ですが、日本では姿を消したと書きましたが、東南アジアなどでは人気が非常に高いのだそうです。
日本と異なり飲料水の質が悪いことや、コスト高でも人件費のコストがそもそも低くコスト高になった分をカバーできるということ、さらに果物というよりは喉の渇きを潤すものと考えたときに食味などよりも食べやすさが優先された結果多く流通されるようになったのだと考えられます。
新しい種無しスイカの作り方とその味
しかしそんな以前の種無しスイカとは一線を画す種無しスイカが生まれました。
(株)オーレックホールディングス(福岡県八女郡)は従来の薬品処理をすることで雌しべを4倍体にし、花粉は正常の2倍体の花粉を使うやり方ではなく、花粉の方に目をつけました。
花粉に特殊な技術を施し、DNAを不活性化することで授粉しても種の遺伝子情報が伝わらず、種が育たないまま生長、つまり種はある(白い小さな未熟な種子)ものの食べられるスイカが育つのです。
これにより従来の種有よりも食味が劣るという課題をクリアし、どんな品種のスイカにもその花粉さえ使えば種無しの品種ができるというわけです。
さらに、糖度も増加する傾向にあり実測した結果がこちら。
TANE FREEというのが(株)オーレックホールディングスが販売するブランド名ですが、どの品種も糖度が高くなっていることがわかります。
これは種にいくはずであった栄養分が果実の糖生産に回されたからではないかと考えられます。
花粉は公式サイトで購入可能で、そちらで花粉を購入すればだれでも種無しのスイカ(しかも美味しい)が生産できるようです。
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