耕作放棄地の植生調査では現地の人へのヒアリングも行ったところ放棄された理由に興味深いケースがありました。
耕作放棄される理由としては思い浮かぶのは、後継者問題が一番多いケースかなと思いますが他にも山林との境界で獣害により生産が厳しくなった、災害により圃場にダメージを受けたなども目にしてきました。
今回は線路が通ったことで立地不便になり耕作を放棄したというものです。
写真の奥(線路向こう)が農地なのですが、今は何も育てられておらず年1度程度の管理になっているとのことです。
この場所、周囲は比較的農地が残っていて田畑がある平野部に位置します。
地図だけで見るとなぜ放棄されたのか?と思っていましたが話を伺って納得。
線路が通ったことで区画が狭くなったこと。
そして決定的だったのは農地にアクセスする踏切が廃止になり(上の高架にかわったのでしょう)農地にいくには遠回りをしないといけなくなったことが決定打だったようです。
地元の方に聞くと踏切はかなりの数が廃止になっていてアクセス不便になったところは多いとのことです。
そんなに踏切ってなくなったのか?!と思って調べてみると確かにJR自体も踏切における取組として「踏切事故対策の基本は踏切をなくすことであり、地域の皆様のご協力いただきながら踏切廃止に向けた取り組みを進めています。」と2020年4月のJR東日本ニュースに掲載されてありました。
約50年前には7万カ所以上あった踏切は現在3万カ所程度と半分以下になっているようです。
全国で見てみると鉄道沿線は田畑も多く同様のケースは全国であるかもしれませんね。
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