日本農業遺産って何?

先日奥出雲に行った時に紹介した奥出雲の農業は日本農業遺産に登録されています。

たたら製鉄に由来する奥出雲の資源循環型農業

日本農業遺産ってそもそも何だろう?と思ったので調べてみました。

農林水産省が出しているハンドブックを参照しています。

農林水産省が発行する日本農業遺産パンフレット


日本農業遺産の認定基準

1.食糧及び生計の保証・・地域コミュニティの食料及び生計の保証に貢献するものであること。

2.農業生物多様性・・食料及び農林水産業にとって世界(我が国)において重要な生物多様性及び遺伝資源が豊富であること。

3.地域の伝統的な知識システム・・「地域の基調で伝統的な知識及び慣習」、「独創的な適応技術」及び「生物相、土地、水等の農林水産業を支える自然資源の管理システム」を維持していること。

4.文化、価値観及び社会組織・・地域を特徴付ける文化的アイデンティティや土地のユニークさが認められ、資源管理や食料生産に関連した社会組織、価値観及び文化的慣習が存在すること。

5.ランドスケープ及びシースケープの特徴・・長年にわたる人間と自然の相互作用によって発達するとともに、安定化し、緩やかに進化してきたランドスケープやシースケープを有すること。

6.変化に対するレジリエンス・・自然災害や生態系の変化に対応して、農林水産業システムを保全し、次の世代に確実に継承していくために、自然災害等の環境変化に対して高いレジリエンス(強靭性)を保持していること。

7.多様な主体の参画・・地域住民のみならず、多様な主体の参画による自主的な取り組みを通じた地域の資源を管理する仕組みにより、独創的な農林水産業システムを次世代に継承していること。

8.6次産業化の推進・・地域ぐるみの6次産業化等の推進により、地域を活性化させ、農林水産業システムの保全を図っていること。

(日本農業遺産パンフレットより転載)


日本農業遺産認定のメリット

認定をうけたからと何かしら特別な措置がとられるわけではないようですが、そういった一時的な金銭ではなく、おそらく認定取得に際して地域資源を地域の人が(主に自治体だと思いますが)その地域についての農林漁業について学び、長年続いてきた(特別決まりはないようですがおよそ100年以上の歴史を有していて現在も続いている活動のようです)強さを学び再認識することかなと考えます。

後は認定を受けることで認知度があがることでしょう。

こうしたパンフレットに掲載されたり、認定取得に際して色々調べた結果資料が作成され、域外の人の目にもつくようになります。

パンフレットに記載されたメリットの中に認定地域間の交流などもありましたが、認定地域でなくとも同じ日本ですので似たような気候風土の場所からすれば手本になるようなシステムも多いはず。

そういった地域間連携がうまれることでより農業のシステムは改善される可能性はありますね。