秋に多く出回る梨ですが、2月くらいまでいただける品種に「愛宕梨」というものがあります。
愛宕は東京の愛宕山からとられたもので、愛宕山近くで育成されたことにちなんでその名がつけられています。
こちらの愛宕梨は福岡県でも果物が有名な福岡県南の「広川」にある里の駅広川くだもの村にて購入しました。
くだもの村の近くは多くの品種を栽培している方がいらっしゃる関係で長期間様々な品種の梨をリレーで食べることができます。
さて、この愛宕梨ですが冒頭紹介したように貯蔵性に優れており、購入した後も涼しいところにおいておけば傷みにくく長持ちします。
赤梨系の品種であること、そしてその大きさに特徴があること(大きなものでは2kgほどにも)からお歳暮の贈答用にも好まれています。
栽培地は梨といえば茨城・千葉・栃木・福島とこの関東近郊の4県だけで3分の1もの生産量を誇っています。
ただし、愛宕梨という、関東にちなんだ名前がつくこの梨は関東ではほとんど栽培されておりません。
愛宕梨の栽培地としては岡山県が圧倒的で何と流通している愛宕梨の半分程度は岡山県で生産されています。
岡山県は梨の産地として有名かというとそうでもなく、梨の生産量は全国の30位以下と非常に低いにもかかわらずこの愛宕梨は全国で圧倒的なシェアを誇っています。
なかなかに面白いですね。
調べてみてもなぜ梨の産地でもない岡山県でこれほど愛宕梨が栽培されているのかはわかりませんでしたが、篤農家の一人が愛宕梨を見つけ地元で栽培、その栽培法を確立したようです。
通常の品目であれば産地とまでは出来上がらなかったでしょうが、年末に売ることができ、大玉で赤梨だったことなどから贈答用として高く販売することができたことも広がった大きな理由ではないでしょうか。
関東の梨の産地の方にこの愛宕梨の事をきいてみましたがほとんどの方が知らないということでした。
梨の産地としてはマイナーな県が、圧倒的な生産量を誇る梨の特定品種。
こういった視点からもこの愛宕梨は面白いですね。