雑草問題を解決するには?

雑草が放置される国日本

日本では雑草がいたるところに生えていて実害がないと意識されません。

実害があっても雑草がある日常のせいか雑草のせいにすらされないことも多々あります。

雑草管理の国内先進事例、沖縄の性能規定型管理法

例えば、道路にはみ出した雑草、これをよけるために車道側に寄った自転車と車の接触事故。

沿道の雑草管理が不十分として国や県、自治体が訴えられることはあるでしょうか?

車道にはみ出す雑草


掃除的な管理が及ぼす悪影響

日本ではクレームが来たら雑草を刈り倒す、いわば掃除的な管理がなされています。

これは道路回りだけでなく、畑であっても、公園、河川堤防であってもどこも同じような考え方でされています。

こうした掃除的な考え方が先行するため、如何に楽に刈れるか?枯らすことができるのか?だけがクローズアップされてしまっていますし、各種メーカーもそういった視点でしか開発できていないように思います。

しかし、植物は生き物です。されるがままということはあり得ません。

環境に適応し、子孫を残していきます。環境とは人からもたらされる刈取り、薬剤なども含みます。

何度も同じ手法を用いればそれに適した草が生き残っていき、徐々に管理は難しくなっていくのは明らかです。

この辺り根本的な考え方が日本には欠けているのですが、世界的には雑草はヒトを害する植物という定義である以上「人の敵」です。

日本ではおそらく「何となく邪魔な草」くらいのイメージを持っている人がほとんどだと思いますが、冷静に考えてみてください。

雑草とは
「往来を邪魔し事故を誘発する」
「花粉をふりまき花粉症の原因になる」
「有害不快害虫(ダニ・ハチ・ムカデ等)に住処を与える」
「有害生物(クマ・イノシシ・シカ等)に住処移動拠点を与える」
「根を張り構造物(家屋・道路・堤防等)を破壊する」
「農産物に混入しその価値を下げる」
等・・・あげればきりがないくらい様々な分野を横断し悪い影響を与えます。

これらを放っておいて実害が出てから対応する(場合によっては上の例のように雑草に起因する害も雑草が当たり前すぎて対応されない場合すらある)のはナンセンスです。

刈取り、枯らす、抑える、といったツールは多岐に及び、どれも高性能で数十年前では何倍も苦労していた除草作業時間はかなり圧縮されています。

ただし、目の前の草をなくす、という作業の時間は減ってもそれらは根本的な解決にはなりません。

掃除的な管理で上にあげた雑草に起因する問題を解決しようとすれば、作業頻度をあげて人海戦術で臨むしかありません。

温暖化が進み、太陽からエネルギーを得て増え続ける彼らに、労働人口が減り続けている日本は勝ち筋があるでしょうか?


雑草問題を解決できるツールなどない

植物は水・空気・太陽があれば基本的に育ちます。

つまりなくなることはない相手なのでどうやって付き合うのか?

どういった状態であれば私たちは許容できるのか?

「往来を邪魔し事故を誘発する」→「往来の邪魔にならない植物で覆わせる」
「花粉をふりまき花粉症の原因になる」→「花粉が飛ぶ植物のみを駆除する」
「有害不快害虫(ダニ・ハチ・ムカデ等)に住処を与える」→「昆虫の生態を把握して彼らの住処にならない植物を考える」
「有害生物(クマ・イノシシ・シカ等)に住処移動拠点を与える」→「彼らの生態を把握、隠れられるくらいまで育たない植物などを優先させる」
「根を張り構造物(家屋・道路・堤防等)を破壊する」→「最適な植生を考える」
「農産物に混入しその価値を下げる」→「畑の内と外とで最適な植生を考える」

など、先にどうありたいか未来を考えて、その未来に近づけるべく草刈り機や除草剤などツールを選んで使用する。

こういったアプローチをしないと永遠に雑草問題は解決しません。

草刈り機も除草剤も目の前の草を取り払うことはできますが、雑草問題の解決はどんな優れたツールでも不可能です。

問題を解決するのは「人の頭脳」に他なりません。