砂鉄(酸化鉄)から鉄を取り出すには高温化で炭素と反応(還元反応)させてから取り出す必要があります。
炭素源は木炭が使われることから鉄の量産には砂鉄と共に炭も大量に必要になります。
砂鉄七里に炭三里という言葉があり、木炭はかさばることから輸送困難で製鉄場所となるたたら場から三里以内、砂鉄は七里以内で入手できる場所にあったそうです。
かなりの火力が必要となることから一回の製鉄作業で必要となる炭の量はおよそ12トンにも上ると言われていて、その量の炭を取るためには1ヘクタールの森林が必要になります。
こうしたことからたたら場は砂鉄が取れるだけでなく山間部に近い場所が必須でした。
今回訪ねた菅谷たたら山内
ここは山間部はもちろんですが超高温になるたたら場にとってありがたい条件として周囲を小川に囲まれていて、谷間に位置することからたたら場の真上を冷気が渦巻くように漂う立地になっています。
実際にかなり気温は低いように感じました。