除草剤の正しい使い方

除草剤の希釈倍率守ってますか?

除草剤を使用している人は多いと思いますが、除草剤が効きにくい雑草に対して濃いめに散布したりしている人も多いのではないでしょうか。

しかし、その方法、本当に大丈夫でしょうか?

そもそも、ちゃんと枯れていますか?


除草剤は濃くすれば効くは間違い

除草剤にも様々な種類がありますので一概には言えませんし、使用の目的も様々でしょう。

根までしっかり枯らせたい。という場合によく使われている浸透移行性の薬剤。

これは濃くすると逆効果になることがよくあります。

どういうことでしょうか?

浸透移行性の薬剤は、その名の通り、植物が葉面などから吸収し、植物体内を薬剤が作用するところに移動し、作用点で有効成分が濃縮されて効くものです。

つまり、葉面にかかって葉面を枯らすのではなく、葉面は無視して作用点に移動してもらわないといけないものです。

植物体内の移動は植物自身が生きていることが前提です。

まして、浸透移行の薬剤を散布後に刈り取りなどは全く意味がなくなるため薬剤散布後の刈り取りはNGです。

では、薬剤を高濃度でまくとどのようになるかというと、葉面に付着した際に葉面が早く枯れてしまいます。

つまり薬剤が植物体内を移動しきる前に薬剤がかかったところが枯れてしまうため、作用したいところに有効成分が十分に濃縮されず効きが半端になってしまう現象がおきます。

浸透移行性の薬剤は多くの場合2週間ほどで対象雑草を枯らします。

2週間程度は緑のままです。濃くするとこれが早く枯れたように見えるので効いた、と感じるからかもしれません。

しかし肝心の地下にある栄養器官などは無事であるためすぐに次が生えてきてまた薬剤散布・・・となってしまいます。


厄介な雑草には希釈倍率を薄くする?

厄介な雑草をしっかり枯らす為には、既定の倍率か気持ち薄めに、そしてたっぷりとかけてあげるほうが効果的な場合が多いようです。

厄介な雑草は大抵地下に栄養器官があり、地上部よりも地下部のバイオマスが多いことがほとんどです。

つまり一番倒したい部分は目に見えないのです。

そこで一部分に集中的にかけるよりもしっかり植物群落全体にいきわたるようにかけてあげる方が効果的です。

ノズルを出る時点で希釈が薄かったとしても、作用点まで移動し濃縮されていけば単位面積あたりにかけた薬剤の原液量が同じであれば効果は同等です。

濃いめの薬剤で地上部は枯れても地下部が生き残ったり、そもそも薬剤の量がたりずに全体にかけることができないくらいであれば、少し薄めにして全体にたっぷりかけてあげた方が効果的ということもよくあります。

除草剤を散布するときは再度希釈倍率を確認してみましょう。