米の自給率は大丈夫か?!

米の価格は適正か?!

米価格の急騰の話題が度々ニュースで目にするようになってきました。

そもそもお米の値段は再生産可能な価格とは言い難いので値段があがるのは至極真っ当な話のように思います。

大体300坪ほどの面積の田んぼからあがる売り上げはせいぜい13万そこそこ・・

お米の話

他の業態からすれば考えられないような売上高だと思います。

しかも田んぼをするには莫大な機械投資が必要です。

コンバイン・田植え機・トラクターがなければとてもお米の生産などできません。

これらを揃えようとすれば最安機種を新車価格で買おうとすれば

2条刈りコンバインでサイズで200万~500万円

2条植え田植え機で90万円弱>手押しタイプの自走式です

15馬力以下のトラクターで150万円程度

これだけの機械投資で1反(300坪)15万円もしない売上・・

とても再生産可能な価格とは言い難いでしょう。


米農家と後継者

実際に米農家は減り続けていますし、稲作単一経営の基幹的農業従事者の平均年齢は71.1歳(農林業センサス2020年)とかなり高くなっています。

年齢が高いと後継ぎがいるのか?というのが心配になりますが・・

5年以内に農業を引き継ぐ後継者を確保していると答えた農家は全体の26%程度しかなく、大規模経営(15ha以上)の経営者でさえも47%しか確保できていません(しかも43%は確保していないと回答)。(参照:農林業センサス2020年)

15ha以上で大規模経営といいますが、所得が500万を超えるのは稲作では15haから(出展:農林水産省「農産物生産費統計(令和3年産)」)と言われています。

露地野菜ではもちろん品目に寄りますが3haから(出展:農林水産省「営農類方型別経営統計(令和3年)」)、施設野菜では0.5haから(出展:農林水産省「営農類方型別経営統計(令和3年)」)と言われているところから考えてみても広大な農地が必要だということがわかります。

同じ所得を得るにしても広大な面積が必要な稲作は土地的なハードルがあります。

日本では農地転用が認められているため住宅になったり、相続等で飛び地・分筆されて一枚一枚の農地が時を経るごとに小さくなっていきます。

さらに一般的な米の生産方法である水稲では水が必要なため、水路の確保はいうまでもなく、一か所にまとまっていないと極めてその作業性は落ちます。

一般的な畑であれば畑毎別日の管理も可能になりますが、水管理は同時にする必要があることが多いため。

こうした稲作ならではの事情もあり後継者確保はこれからもさらに難航すると予想されます。


主食用米については需要が生産量を上回っている!

弊社の事務所に来た人も「いつも購入しているお米がなくなっていてお店の人に聞いたら入荷予定は未定と言われた」と言っていたので、米の生産と需要について調べてみたところ驚いたことに需要に生産が追い付いていないということがわかりました。

米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針(農林水産省)を元に作成

民間在庫量もこちらの資料によるとこの7年ほどで令和3年6月末218万トンをピークに令和6年6月末で156万トンまで一気に減っています。

需要実績が昨年から上がっていることについては脱コロナ・円安で観光客が増えたことも関係していそうですが生産量の減少分、そして上であげたように後継者不足からの生産が回復する兆しは非常に厳しいと考えられるのでこのままでは日本産のお米は不足していくのではないかと予想されます。