コロナショックを受ける農業分野で私たちが理解したいこと

コロナウイルスの影響で輸出入が止まり国産農産物への回帰が始まりつつあります。

昨日馴染みの飲食店に伺ったところ、海外産のもの(チーズ等)はもう入らなくなりつつあると。

輸入品の安い価格で勝負していた飲食店はこれから厳しくなっていくでしょうねとオーナーシェフが言われていました。

それでは国産の農産物需要が高まり、これがきっかけで農家は儲かるようになっていくか?というとそんなことはありません。

最大の理由は日本の消費側の意識にあると考えています。

スーパーに年中並ぶ様々な農産物。

流通業界の頑張りによるものですが、ほとんどの農産物が年中安定した価格で提供されています。

そこで消費者の意識は〇〇なら100円、といった感じで刷り込まれてしまっており、それより高いと「高い」と感じるようになってしまっています。

一方で生産側にも問題があり、年金などをもらいながら農業をそのまま続けている高齢者の出荷する直売所の野菜の価格です。

こうした輸入品などによる安い農産物の値段に合わせ値決めをし、年金受給者であることから再生産価格などを意識せず、隣の安い農産物を見て値決めをしてしまっています。

こうしたことが重なり消費者の意識は農産物の価格とは変動しない(しにくい)ものという観念ができてしまっています。

一方で、輸出入ができなくなりつつある今、農業資材の価格が高騰することが想像できます。

例えば肥料の3要素の一つ、リンなどは中国が世界で一番生産しており全体の30%以上を算出している国です。

そもそも中国内需の高まりや人口増加などを原因に輸出は減り、限られた資産の価格は上昇傾向だったところが、このコロナウイルスの影響でリンを始め輸入に頼っていた資材の価格は一気に上がることが予想されます。

経費が上がっているにもかかわらず、野菜の値段が固定だと当然需要があって飛ぶように売れたとしても手取りは少なくなる一方です。

輸入が期待できない状況が今後続いた時に農家が疲弊してしまっては私たち消費者は食べていくことができません。

高いお金を出して農産物を買えというわけではなく、農産物の値段はその時々で変わるものですし、旬があるもの。

そして生産者の農家の資材も時代と共に値上がりしていくことを雰囲気消費者がわかっていけばより持続可能な農業ができるのではないかと考えます。

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