Great Taste Awards 2019で賞をいただきました
昨日の日記でも紹介した通りですが、紅茶は日常的に飲むよりもケーキなど甘いものと一緒に飲むことが多いため渋みのある紅茶がメジャーです。
しかしダージリンやウバ、キームンといった世界の三大紅茶と呼ばれる高級紅茶は実は紅茶用の品種ではなく緑茶用の品種であることはあまり知られていません。
紅茶用の品種いわれているため混乱してしまいますが、便宜上緑茶用、紅茶用といわれているだけで違いは茶葉の中に含まれる渋みの元となるタンニン量の違いでそう呼ばれています。
紅茶用の品種はタンニン量が高く、緑茶用は少ないのです。
わざわざ渋みの元となるタンニン量が高いものを紅茶用としているのは、紅茶=渋いものだからではありません。
紅茶は茶葉を酵素の力で発酵させ加工しますが、その時酵素によって分解されるのがタンニンです。
紅茶用品種は茶葉の中に大量にタンニンが含まれているため発酵しやすく、緑茶用品種はタンニンが少ないため条件を整えてあげないと発酵がすすみません。
安価に出回っているものは紅茶用品種で作った紅茶で、日本でよく飲まれているものもそういった渋みが残った紅茶になります。
紅茶の発酵過程は酸化発酵です。つまり完全発酵してしまえば酸素に触れていても反応が進むことがないため、高級な紅茶はワイン同様ビンテージがつきます。
ダージリンに政府公認の鑑定士がいるのはそういった背景からかもしれません。
日本では渋みが少なくうま味の強いお茶を作っています。
その茶葉を使って紅茶を作れば世界にも誇れる品質の高い紅茶ができるのでは?と考え紅茶製造にかかわるようになりました。
しかし、うまく作れたとして完全発酵の渋みの少ない紅茶は甘いものと一緒に飲む日本の紅茶文化には馴染まず「物足りない紅茶」と思われてしまう可能性があった為、紅茶が昔から飲まれているイギリスをはじめとした世界での評価が得られれば日本でも販売しやすくなると考え国内ではなく海外の品評会に出しました。
海外で評価を得ている緑茶用品種で作った紅茶。
その中に日本のお茶で作った紅茶も認められれば日本の茶農家の新たな収入源になるかもしれない。
今回賞を得た茶畑は緑茶の管理のまま、さらに緑茶としては価値の薄い三番茶を加工して作りました。
三番茶を選んだ理由は外気温や茶葉の条件が紅茶に向いているからで、この三番茶が紅茶として世界に認められるようになれば国内は元より、海外にも輸出できる産品になれば日本の茶業界はより元気になり、茶農家を継ぐ人も増えるのではと考えこの紅茶事業を始めました。
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