解決したい問題の原因は自分の外に求めない

農業でなくても何でも同じだと思いますが、農業分野、特に生産に関しては他の産業よりも問題の原因を自分がコントロールできる範囲外にしがちです。

他の産業と違うのは、植物が作り出したものを製品としている点です。

そもそも植物は人ではないですし、植物は環境、特に天気(太陽光、雨水)の恩恵を受けて育つものです。

晴天を、雨天を人が操ることはとてもできません。

しかし、植物はその影響を一番に受けます。

そこでどうしようもない要因により生産にダメージを受けることが他産業よりも圧倒的に多いのです。

その結果、天気が悪かったからどうしようもなかった。となるわけです。

昨日は福岡市のスマート農業推進事業ワークショップにファシリテーターとして参加してきました。

ワークショップでは、生産現場の抱える問題を明らかにして、参加している事業者のサービスを使ってその問題を解決していこうというものでした。

あげられた問題は様々ありましたが、〇〇がどうしようもないというものも多くありました。

〇〇がどうしようもないのなら、それを解決しないといけません。

その〇〇というのは解決したいのであれば自分がコントロールできる範囲内に原因を探らない限り根本的な解決になりえません。

なぜなら、自分でコントロールできないのであればまた同じことが起きる可能性があるからです。

そこで抗いようのないものでも自分で何か備えることができなかったのか、それを考えることで一歩進みます。

一人でやれば何年もかかるかもしれませんが、皆が様々な取り組みをすることで解決策が見つかるかもしれません。

他人に頼らず自分で行い、同時に情報収集もする。

ここ数年集中豪雨に干ばつ、それも記録的と言われるものがなかった年はありません。

農業技術・経営を研究し、農業分野の発展に貢献している人を篤農家と言いますが、まさに今篤農家の技術が求められているのだと思います。

私は篤農家のことを本当に尊敬しています。

他の多くの産業と異なり、畑というその場から動かせない資産、コントロール不能な自然環境の影響を大きく受ける生産物と向き合い創意工夫をし日々活動をしている篤農家のことを心底尊敬していますし、そのような方の力に少しでもなりたいと考えています。

写真は昨年のものですが、友人の生産者の圃場近くのものです。

こんな過酷な状況で苗作りをしたものでも本当に美味しい農産物を作っていました。

ある人は数年前に起きた天災で樹が壊滅的な状況になった。

その年は立ち直れなかったけど翌年には立ち上がり他の農産物も同時に生産していくことでリスクを分散し、今年同じような災害が起きたけれど収入はゼロにならなかった。

農家と付き合うことで人の持つ本当の強さを私は実感しています。

そういう人の一助になれるよう精一杯私も頑張ります。