先日のナント種苗さんのオンライン農場見学会の中で、ピノ・ガールのことをブドウのシャインマスカットのような・・といわれていました。
シャインマスカットといえば皮ごと食べられて高糖度、種無しということで人気のブドウ品種ですね。
先日いただいたピノ・ガール、実食してみての感想ですが確かにシャインマスカットのようにスイカ業界に衝撃が走る品種だと感じました。
果物で重要な評価点
シャインマスカットがブドウ業界を押し上げた最大の理由はおそらく甘く美味しいだけでなく、手軽に食べられるということだと思います。
この手軽に食べられるというのは果物にとって非常に重要なポイントです。
調理されて並ぶことが多い野菜と異なり、果物はそのまま食べる、ケーキなどの装飾に使われるなど調理されず生食が基本となります。
そこで皮をむく、種を除く、食べる時に汚れない、などの条件が果物では好まれる傾向にあります。
時代が求めるスイカ像
スイカに関しても種苗会社による品種開発は時代と共に進んできています。
私の年代で子供の頃のスイカといえば大玉スイカが主流でした。
それが核家族化が進み、大玉スイカは小売店からすると売りにくい商材となります。
そこで小さな玉の品種の開発や、カットして販売されることを見越し熟しても空洞ができにくい品種の開発が進みます。
流通技術の進歩により様々な品目の果物と並び評価されるようになったことで、甘さや手軽さなどの特徴が重要視された結果、スイカも開発が進んでいきます。
スイカを食べる際に都度種を出すのは手間なので種無しスイカなどはより手軽さを求め開発された品種ないし技術(品種ではなく花粉を加工するものもあります)になるでしょう。
しかし、種無しが現在あまり見られなくなったのは便利ではあるけれども味が今一つだった結果かなと考えます。
弱みを強みに変えたピノ・ガール
スイカを食べる際に手軽さの壁となっていたスイカの種。
その種をなくそうとするのではなく、その種を食べられるようにすればいいというところに着目したナント種苗さん。
この発想は素晴らしいですね。
実食してみて甘さは申し分なし、そして肝心の種はというと食べても気にならないどころか、そのパリッとした食感がむしろアクセントとなって非常によかったです。
スイカの弱点であった種を強みに変えた点は個人的にシャインマスカットよりもすごいなと思います。
ピノ・ガール、家庭菜園では結構見るようになってきましたが、まだまだスーパーなどではあまり見ないような気がします。
今後非常に注目されヒットする農産物ではないかなと思いますので、スイカを生産している農家の方は是非チェックしてみてください。
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