昨日は動物の灰汁について触れました。
今回は植物の灰汁について紹介します。
動物の灰汁とは血液や水に溶けたたんぱく質が熱変性によって固まったものと紹介しましたが、植物に血液はありませんので動物の灰汁とはその原因物質が異なります。
植物とまとめても灰汁の原因物質は品目によってかなり異なるようです。
例えばホウレンソウの灰汁はシュウ酸ですし、山菜などはポリフェノール類がその灰汁の原因と言われています。
ホウレンソウに含まれるシュウ酸ナトリウムは体内に石となって貯まりやすいですし、同じシュウ酸でもシュウ酸カルシウムを含む里芋の葉柄などはとても食べられません(シュウ酸カルシウムは消化管で吸収されにくいので尿路結石の原因にはならないようです)。
ポリフェノールといえばタンニンもポリフェノールの一種ですね。
茶に含まれるタンニンやカテキンも渋みの原因でもありますし灰汁と言えそうです。
この植物の灰汁ですが元は動物と違って動けない植物が草食動物から身を守るために作った物質と考えられていて、植物を食べる動物にとってえぐ味や刺激、栄養の吸収を妨げる物質などが灰汁の一つとなっているようです。