気候・自然リスクに対して上場企業が取り組みを推奨されているものについて(TNFD・TCFD)/EUでは義務付けられている

気候関連財務情報開示タスクフォース(以下TCFD)、自然関連財務情報開示タスクフォース(以下TNFD)というものをがあります。

TCFDは2015年のG20の要請を受け金融安定理事会が設立を公表。

気候変動に関するリスクと機会の財務的影響について、一貫性・比較可能性・信頼性・明確性のある開示を促しています。

金融安定理事会とは、リーマンショックのような世界的な金融危機を背景に2009年に設立、世界の金融システムが不安定にならないように、主要国の金融当局が国際的なルールや仕組みを議論調整する組織。そんな枠組みなので日本からは財務省・日本銀行・金融庁が関係。

つまり、気候変動は金融システムのリスクになりえると判断して、気候変動に対して企業はどのような取り組みをしているのかを開示しなさいとしたものがTCFDです。

TNFDは2021年にTCFDを参考にして自然資本・生物多様性と企業の財務との関係を扱う国際的な枠組みとなっています。

日本ではプライム市場が義務付けとまではいかなくとも徐々にその方向性が強くなっています。

今年は酷暑日という新たな名称の暑さの基準が設けられるほど温暖化が進んでいる中で企業がこういった取り組みをどのようにしているのか、金融にインパクトもありえると世界が判断しているのだから開示義務となっていく方向性は仕方ないことでしょう。

これらに対して日本の企業は意欲的に取り組んでいるとされているものの、石油由来のプラスチックを紙やバイオ素材に変更したり商品包装を簡素化したりするといったものにとどまっているケースが多いようです。

確かに環境対策としては意味がありますが、本来は

  • 自社の工場・店舗・物流拠点がどの気候リスクにさらされているか
  • 洪水・渇水・猛暑によって売上や操業停止リスクがどの程度変わるか
  • 原材料の生産地で水・土壌・生態系にどのような依存・影響があるか
  • そのリスクが将来の財務にいくら影響する可能性があるか
  • それに対して何をするのか
  • 対策を行った結果、リスクがどれだけ減ったのか

こうした視点が必要です。