12月に入っていたこともあり京都の紅葉は見ごろが終わっていたが鴨川沿いのカエデできれいに紅葉しているものがあった。
カエデといえばその種子の形状が変わっていて風にのって遠くまで運ばれるような独特の形状をしている。
赤く紅葉する樹と言えばこのカエデが思い浮かぶがカエデは夏の暑さや乾燥が苦手なこともあり九州では山間部を除き生育に適している場所が少ないこともあってなかなかこちらでは見られない。
紅葉は葉が緑色に見える色素、クロロフィルが分解され、かわって赤い色素であるアントシアニンが合成されてそれらが葉の中にたまることで赤くみえるわけだが、わざわざ樹から落として分離させる葉にアントシアニンが生成される理由について不思議に思っていた。
調べてみると落葉前にクロロフィルを分解して樹に養分を還元していくわけだが、その間葉は老化が進み防御力が落ちていってしまうため抗酸化作用のあるアントシアニンを生成し葉を守っているようだ。
またアントシアニンは紫外線を吸収することからも老化していく葉の中にある細胞を守っていると考えられる。
つまりアントシアニンを生成するエネルギーを節約するよりは、多少コストを払ってでもアントシアニンを生成し、落葉するまでの間に養分を本体に還元するエネルギーの方が大きいということだろう。
