朝どれ野菜がいい!という話は聞いたことがあると思うが、なんでも朝イチがいいかというとそうではないらしい。
以前タキイ種苗のブリーダーの方から話を伺った際に驚いたのがダイコンは午後収穫が良い場合もある、というものだ。
理由は単純で午前中はダイコンが水分を多く含んでおり、収穫時、もしくは持ち帰るときの振動で割れてしまうことがよくあるということだった。
日が昇り光合成が始まると気孔が開く。
気孔が開くと植物体内の水分が蒸散により少しずつ大気中に放出されていくためダイコンに蓄えられた水分も程よくなり割れる可能性はかなり減るというものだった。
なお、すぐ食べるのであれば割れていても瑞々しいダイコンを朝収穫の方が楽しめる。
複数本収穫して保存しておくといった場合には午後収穫が無難だろう。
気孔は植物も呼吸しているのだからいつも開閉しているのではないか?と考える方もいると思うが、基本的に水分消失を防ぐため夜閉じ昼開けているものがほとんどだ。
ただしサボテンなどは逆で夜気孔を開けて昼閉じている。
CAM植物と言われていて、彼らは日中砂漠など高温乾燥地帯に生息しているため日中気孔をあけてしまうと水分消失が激しくなってしまうため、夜に気孔をあけて二酸化炭素を取り込み日中の光合成に備えている。
まさに植物の呼吸にあわせた収穫のタイミングが必要のようだ。
実は紅茶用に収穫する茶葉も気孔の状態が重要になってくるがこれについてはまた別途機会があれば紹介する。
