先日グロス・ミッシェル種というバナナを紹介したが、このバナナはパナマ病によって一度全滅しかけている。
パナマ病とは土壌伝染性病気で、病原菌はフザリウム族のF. oxysporum(フザリウム・オキシスポルム)の寄生によってバナナに生じる病気である。
このF. oxysporumはいろいろな作物に被害を与える、例えばウリ科のつる割病などはこの菌が原因である。
もっともメロンとバナナに感染する種類は異なるのでバナナに感染していたフザリウムがメロンに感染することはないとされている。
ただし同じフザリウム属ということで好む環境は似ているので菌が蔓延している土壌は一度土作りなど環境面を見直さないと他の作物を栽培したとしてもやはり病気になる可能性は高いと思われる。
上であげたようにフザリウム属菌は侵される野菜によって病原菌の名前が異なり、種類が異なっているが、連作すると病気が入りやすい、収量が落ちやすい、というのはこうした病原菌の土壌中の密度が連作すると上がり、混植や輪作することで下がることも原因の一つと思われる。
特にフザリウムに関していえばイネ科の植物は多くのフザリウム属に対して寄生されにくい(イネ萎凋病などはあるが、トウモロコシや麦などはあまり影響ない)、この為多くの病気の原因となるフザリウムの土壌中の密度を下げるのにマルチムギなどを混植すると土壌の生物性の上からも有利に働くのでは?と考えられる。