当事務所には食虫植物のわなという絵本がある。
子供たちが事務所を訪れると人気の本で大体の子供が手に取っているように思う。
食虫植物のわな(amazon)
子供にも読みやすく絵本になっているが、図鑑的でもあり大人が読んでも非常に面白い。
先日GREEN PICNIC(公式インスタ)さんに行ったときにも食虫植物が販売されていた。
書籍、「食虫植物のわな」によるとウツボカズラによく似た花粉の化石がおよそ6600万年前から5600万年前の地層(暁新世)から見つかっていて、この時期には食虫植物の祖先が生まれていた可能性がある。
もっとも花粉の化石という事でそのウツボカズラが食虫能力を持っていたかは不明らしい。
はっきりと食虫能力をもったとわかる化石はその後、始新世(約5600万年前~3390万年前)のものでロシアの鉱山で発掘された4100万年前の琥珀の中からロリドゥラという食虫植物の葉が見つかっている。
見つかった葉には虫を捕まえるためにある線毛が備わっていて虫から栄養をとって育っていたと考えられる。
気になるその化石はこちら。
この写真が記載されてある論文中ではこのバルト海の琥珀鉱床の地質学的状況と古植物学的記録から栄養分の乏しい土壌で亜熱帯から温帯気候と紹介されていた。
土壌からの栄養だけでは成長できずそこに住む虫たちから栄養を吸収していたのだろう。
さて、食虫植物の捕食の仕組みは書籍「食虫植物のわな」によると
①はさみこみ式(ハエトリグサ等)②ねばりつけ式(モウセンゴケ等、ロリドゥラもこの仲間だ)③落とし穴式type1(サラセニア等)type2(ウツボカズラ等)④吸い込み式(ミミカキグサ等)⑤もんどり式(ゲンリセア等)と大きく5種に分かれていると紹介されている。
落とし穴式の1と2の違いは葉の全体が袋状になっており、内側に毛が生えていて虫がもがけば徐々に下に落ちていくものに対し、2のウツボカズラは葉の先端が袋状になっていて中は毛はなく滑りやすい形状になっている違いだとか。
以前食虫植物を栽培し販売している農家さんに話を伺ったことがあるが、①のはさみこみ式のハエトリグサなどはものすごいスピード(人が瞬きするくらいの速さで虫を捕まえる)で葉を動かすのでエネルギー消費が激しく、捕虫に失敗すると弱って枯れることもあるそうだ。
他にもわかりやすい挿絵で食虫植物について書かれてある絵本「食虫植物のわな」。
興味がある方は是非読んでみて下さい。
食虫植物のわな(amazon)