ヘアリーベッチによる抑草効果

果樹園や水田から畑に変えた時の雑草抑制に使われる品種にヘアリーベッチというものがあります。

ヘアリーベッチの花

地上部を覆うように広がっていき、物理的に他の雑草種が入ることを防いでくれます。

また、アレロパシーというヘアリーベッチ自体が分泌する化学物質が他の植物の生育を制限する効果もあり、かなり雑草を抑えてくれる効果は高いようです。

このヘアリーベッチについて調べてみるとアレロパシー物質として既に同定されているものがあるものの、アレロパシーの効果よりは物理的効果の方が効いているという論文がありました。

試験では実験室レベルでは確かにヘアリーベッチから抽出された物質が他の植物の生育を阻害していることを確認できたが、実際の圃場を使った検定ではヘアリーベッチのアレロパシーよりも被覆や養分競合による作用が大きいと考察されています。

栽培者からすれば結果として抑草してくれればいいので抑草効果としては期待できそうですね。

試験の中で発芽率が悪くて再播種したという記述もあったことから、初期の生育に気を付けさえすればよさそうです。

また、アレロパシー物質自体については土壌で比較的早く分解されるようでヘアリーベッチをすきこんだ場所は何も処置していない場所よりも雑草が繁茂したとあります。

マメ科植物ですので窒素を多く土壌に還元したのだと思われます。