先日給食用小松菜を生産している方の取組を紹介しました。
プロ農家のチカラ
今回はパンについて。
突然の休校措置で食べられるはずだったパンが行き場を無くしています。
給食で食べられなくなるのであれば転売ないし、寄付すればいいじゃないか。
そう考える人も多いと思います。
実際に前回紹介した農家さんは自力で売る!という形で乗り切ろうとしています。
しかし、学校給食のパンについてはそもそも他の用途に使ってはいけないことになっているのです。
その為転売などはできず、休校措置が決まった時点で作られてしまっていたパンについては廃棄せざるを得ないのです。
江木食品工業株式会社さんのFacebook投稿
学校給食のパンを他用途に使えない理由として、投稿の中で材料として使われている「脱脂粉乳」が問題とされています。
調べてみると給食利用のみを目的とする場合脱脂粉乳は関税免除品になるとのことです。
国内産業を守りながらも、安価で安定した品質のものを給食に、という考えからこのような形になったと考えられます。
実際に計画的休校であればこのような問題は起きなかったはずです。
しかし、今回は突然の休校措置、しかも先が見えない状況です。
業者の方も最後に
どのようなことになろうとおそらく私たちはあす、これを廃棄します。
本来であれば喫食されたであろう4000個のパンを。
これはただ免税品が使われていた、というだけの理由で、です。
それをどう捉えるかはそれぞれの価値判断ではありあますが、
少なくとも私や私たち製造現場の人間は、
この状況を健全だとは思っていません。少しでも自分の目の前の課題を解決できるよう、今日も悪戦苦闘してきます。
と書いておられます。
休校だけでなく、コロナウイルスの影響で各地で食品の買いだめ等が起きている状況下での食品廃棄。
現場だけではどうしようもありません。
日本は緊急事態宣言を出しても国民の移動などについては強制力がありません。
緊急事態宣言が出た県から地方に移動した人から感染者が見つかってきています。
本来であれば移動の制限まで含めて行いはじめて効果が得られたと思います。
国民の行動制限は非常に難しい問題かなと考えますが、廃棄予定だったものを救済する措置は「緊急事態」においては大きな問題もないように思います。
多くの人がこの問題を知ってもらい行動を起こしてもらうことで次回このような事案が発生しても、問題なく食べられるはずのものだったものが産業廃棄物にならないよう願います。
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