雑草という名の植物はない、といいますが、そもそも雑草とは何でしょうか?
過去多くの研究者によって様々な定義がなされてきましたが、大きく二つの視点があります。
一つは「望まれないところに生える植物」「作物生産等の人間の活動を妨害する植物」といったような、人間の側にたった意識、価値判断からの定義です。
もう一つは植物としての特性に立脚した。いわば「雑草性」の説明ともいえるもので、野草とは異なり人間による攪乱のあるところに生育できるが、作物のように栽培すなわち人間の積極的な保護を必要としない植物群落。このような雑草性を持った植物が人間の活動を何らかの形で妨害するとき、その植物が雑草と呼ばれます。
<雑草学総論13頁より>
どちらの視点にたったとしても、非意図的に発生・生育し、人々の活動・幸福・繁栄に対して不都合な方向に向かわせる全ての植物を雑草といいます。
つまり雑草とは人間が生活圏の環境を造り替え維持することによって始めて生まれ、時代と共に雑草と呼ばれる対象がかわってくる植物ということになります。
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