先日紹介したが動物のように歩けない植物の多くは育つ環境に応じて変化させる表現的可塑性を持っている。
この特徴をうまく利用した栽培が盆栽だ。
接触し続けることで生長を促すジベレリンの合成が止まり、茎を太く上部にするエチレンの合成が促進される。
盆栽には詳しくないが、剪定や芽摘み、幹肌をブラシでこすったり、根張をしにくいよう土を締めたりするようだ。
こういったストレスから植物は大きく生長するのを止め、より自分自身の身を守るため茎を太く頑丈にしていくのだろう。
この記事を書いていて思い出したのは根域制限栽培だ。
果樹に多いが、袋やシートを用いて根の伸長を阻害することで樹が大きく育たなくなる。
樹が大きくならないことで管理作業が容易になったり、根域を制限されるストレスで果実の糖度があがったりする効果が得らる。
一方で樹の寿命は短くなるが、盆栽は長期間にわたって生命を維持し続けるのでその技術はきっと奥が深いのだろう。
