紅茶という飲料が如何にイギリスにとって大事なものかということは先日の事件からわかりますね。
イギリスでは紅茶といえばミルクティーが主流ですが、そのミルクティーのミルクを紅茶の先にいれるか、後にいれるかということを100年以上にわたって議論しているというのだから紅茶に対する思い入れは並大抵ではないことがわかると思います。
さて、そのミルクが先か後か、MIF(Milk in first)・MIA(Milk in after)という単語があるほどですが、2003年に英王立化学協会の博士がMIF、つまりミルクを先にいれて、紅茶をそこに注ぐ方がミルクの熱変性が少なく、味も香りも優位性が高いと発表されて決着したかに思えましたが、今なお議論されています。
これは歴史的背景もありイギリスで紅茶が楽しまれるようになり始めたころ、当時まだ貴重だった磁器のティーカップに熱い紅茶をいきなり注ぐとヒビが入ったり割れたりする恐れがあったため、それを避けるのに先に常温のミルクを入れてから紅茶を注ぐという習慣が広まりました。
そんなコストを考えなくても良い?上流階級の方々はミルクを入れると茶葉の香りがわかりにくくなることから先に紅茶を注ぎ、香りを楽しんでミルクを入れるという作法が広まりました。
こうした名残もあり化学的に優劣をつけてもなかなか納得がいかない。
もっというと紅茶は嗜好品なのでミルクが先なら先、後なら後の味わいの違いがありそれぞれ好みが違うということが大きいでしょう。