草刈り機にはロータリータイプとハンマータイプがあるけれど違いは何?と農家さんから聞かれることがあります。
ロータリーとハンマーは刈取り部の設計の違いでわけられます。
ロータリーナイフとハンマーナイフの刈取り部の比較
刈取り部を見てみましょう(画像提供:株式会社オーレック様)
ロータリーナイフモアの刈取り部
水平方向にナイフが回転し草を刈り倒していきます。
ハンマーナイフモアの刈取り部
回転するドラムに多数のナイフがついており、ドラムが回転することでナイフが遠心力で立ち上がり草を刈り取っていきます。
ロータリーナイフモアとハンマーナイフモア、刈草の違い
刈取り手法が違うということは当然用途にも違いが出てきます。
それぞれの機械のナイフ部がどのように草を刈り取っていくのかを横から見るとこのような形になります。
ロータリーナイフの方はナイフが水平方向に回転していることから刃面が2次元であるのに対し、ロータリーナイフの方は刃面は3次元となっており、雑草に面する部分が増えます。
結果、刈草を比べるとロータリーナイフモアよりもハンマーナイフモアで刈った方がより細かく細断されます。
※実際にはナイフにはカバーがされてあるのでロータリーナイフで刈ってもそのまま刈り捨てられず、カバーの中で何度か切られ刈払機に比べれば細断されます。
ハンマーナイフモアが向いているところ
・法面の草刈り
ロータリナイフモアや刈払機では刈草が長くそのままにしておくと足をとられる可能性があるため、細断された方が安全
・水路際の草刈り
法面と同じく刈草が大きいと雨などで水路に落ちた際に流れをせき止めたりして危険
・野菜の残さ処理
刈草は細断されるためそのまま畑においておいても土に還りやすい
・果樹園の下草刈り
野菜の残さ処理と同じで土に還りやすいため好まれる傾向にあります。
剪定枝をハンマーで砕くことはできますが、そこまで細かく砕けなかったこと、また農家さんによっては病気や害虫のリスクから園外持ちだしで焼却したいという方の方が多いように感じました。
・耕作放棄地の管理
ロータリーモアに比べると刈取り部が大きくなっているため、しばらく放置され密集しボリュームのある草も刈取りやすい。
またナイフ一つ一つがフリーナイフ(遠心力でナイフが立ち草を刈っているので何か硬いものがあるとナイフが弾かれて逃げる)となっているため石などにあたっても負荷になりにくいため、何が落ちているかわからないようなしばらく管理されてないところの刈取りにも適している。
※刈り取り前に危険個所がないか確認することは絶対に必要です。
ロータリーナイフモアが向いているところ
ハンマーナイフモアが適しているところを列挙しましたが、ハンマーナイフモアはロータリーモアに比べると刈取り部が大きく、部品点数も多くなっています(ナイフ交換が大変)。
また、刈取り部が大きいということはそれだけのものを動かすにはそれ相応のエネルギーがいるため燃料効率はロータリーモアの方が優れています。
そのため、ハンマーナイフモアが得意とするようなフィールドでない場合はロータリーナイフモアを使うのがおすすめです。
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