日本農業遺産に登録された奥出雲の資源循環型農業、今は世界農業遺産登録に向けて申請中です。
奥出雲の資源循環型農業とは何だろう?!
奥出雲といえばたたら製鉄の場となったことで有名です。
このたたら製鉄が農業遺産の中心になっています。
それでは一つ一つみていきます。
奥出雲の棚田は砂鉄をとった跡地
山々を切り崩し鉄を採取したわけですが、山を切り崩した後は棚田として再生しています。
これは砂鉄が含まれる土を水に流して比重を利用してよりわける鉄穴流しが行われその後そのまま棚田として利用されています。
奥出雲の棚田の土づくりが特産品に
山を崩して作っているので当然腐植がたまっているわけでもなく、土も痩せていると考えられるためソバをまき土を作っていきます。
これが有名な出雲そばのルーツになっています。
土づくりに活躍したものにもう一つ牛があります。
牛はたたら製鉄で作った鉄を運んだり、農業面でも活躍する役牛で、刈り草や牛糞を土づくりに使ってきました。
今では土を耕すのはトラクターが、運搬はトラックがありますので役牛は肉用牛に、仁多牛というブランドができています。
地域のブランド米でもある仁多米の条件に牛糞堆肥を使うことというのが盛り込まれており古くから伝わってきた循環の考えがここにも取り組まれています。
たたら製鉄に欠かせない火力は林業を作った
さらに鉄を作るには火力を確保するために燃料が必要です、奥出雲は山深いところにありますので木々を木炭として使っていきます。
これもただ使い倒すだけではなく、持続可能なシステムとして30年周期での輪伐を計画的に行っていたようです。
現代ではたたら製鉄は行っていないため薪炭林も不要ですが、しいたけの生産の場になっています。
さらにそのしいたけのほだ木は牛糞と混ぜられ地域に循環しています。
このように奥出雲の農業のベースにはたたら製鉄があったのですね。
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