神社と土壌の関係をしめ縄から考える

神社のしめ縄の材料となる稲わらは収穫前の青い状態のものが使われます。

出雲大社の大しめ縄

出雲大社大しめ縄の交換

食べ物が豊富にある現代ではともかく、昔は収穫前の稲わらを使うというのはなかなか大変だったと思います。

写真の出雲大社は日本書紀にも登場する古い神社ですが、当時からしめ縄がこんなに立派であったかどうかは不明ですが、どちらにしても稲の適地でないと青い稲わらの確保はなかなか難しいのではないかと思います。

出雲といえば、この猪目洞窟は出雲大社の山向こう。

猪目洞窟に行ってきた

この辺りはいい土壌を育んでくれる母岩となる緑色岩が豊富に分布しているところ。

猪目洞窟付近の海岸は緑色岩が多く分布

さらに、出雲大社から西に1キロほど走ったところにある稲佐の浜の砂を見てみると・・

稲佐の浜の砂、砂鉄が多く見て取れます

砂鉄と書いたものの・・・磁石を持ってなかったので確かめたわけではありませんが、おそらくそうでしょう。

稲作では鉄材が使われることもよくありますのでこのように鉄が豊富な土壌と稲作は昔から相性がよかったのだと思います。

また、川の上流の方に行けば鋼の中でも最上の玉鋼を作っている奥出雲があり、その地では仁多米というブランド米があります。

出雲大社の大しめ縄の背景には古来より米が豊富にとれるその土地があったからかもしれません。

余談ですが、大しめ縄の交換をしているところに幸運にも立ち会えたのですが、しめ縄を切って参拝者に配っていました。

配られていたしめ縄を見てみると断面がまだ青かったです。

5年たった今でもしめ縄の断面の稲わらは青かった