発芽に必要な条件は?と言われると小学校の理科の授業では「水」「空気」「(適切な)温度」と習います。
実際に植物を育てているとこれに加えて「光」を考慮する場合がでてきます。
好光性種子と嫌光性種子といわれるのがそれです。
発芽するのに光が必要な種子を好光性種子、光で発芽が抑制されるものを嫌光性種子といいます。
植物なのに嫌光性種子ってなぜ?!
植物は動物と違って動くことはできません、一度根が張ってしまうとその場から動くことができなくなります。
風や虫、鳥などに運ばれて生育に適した地で発芽し生長します。
植物によってはモミジのように特殊な形状の種子をしていることで風にのり長時間空中に漂い遠くまで運ばれるものもあります。
植物は光合成で太陽光からエネルギーを生産することで生長しますので日光が不可欠です。
嫌光性種子とは光がある環境では発芽が抑制されてしまいます。
発芽しても日光がなければ十分に生長できないため、植物は光を好む好光性種子でないと困るのでは?と疑問に感じたことがあります。
これについては諸説あるかもしれませんが一つは嫌気性種子の植物が進化してきた過程で雨季と乾季がある環境に長くいたことがあるのではと考えます。
植物がある程度大きくなり、地中深くまで根が入り、体にある程度水が蓄えられるほどに生長していれば乾季にある程度耐えることができますが、発芽した直後だとそうはいきません。
植物からすれば水がない乾季に発芽するのは生存率を落とすことになりますので、曇っている時、つまり光が少ない時に発芽するよう進化してきたのではないかなと考えます。
好光性種子と嫌光性種子の見分け方
好光性種子なのか、嫌光性種子なのかわかれば種まきするときにどれくらい土を被せると良いかわかります。
調べれば例えばレタスやニンジンは好光性なので種は浅いところに埋めて、キュウリなどのウリ類は嫌光性なので覆土は少し多めに、など出てきます。
ただ品目によっては調べても出てこない場合も良くあるかと思います。
そんな時は種の大きさを目安にすることができます。
種の大きさが小さければ種に蓄えられる栄養は少なく、大きければそれだけ多くなります。
発芽した後に光があたっていれば光合成で自らエネルギーを生産していくことが出来ますが、光がなければ種に蓄えられている栄養で生長するしかありません。
種の大きさが大きければある程度種子の栄養で生長することができるので少し覆土を厚く、小さければ覆土は少なく種まきするなどすると良いかと思います。
よく教本などに種まきは種の大きさの〇倍など書かれているケースがありますが、こういった背景もあるのかなと思います。