イノシシ対策で有効なこと

イノシシは病気などと違って苦労して育てた農産物が収穫間際になって被害に遭うことから離農のきっかけにもなりえる農業では重大な問題です。

離農のきっかけにもなるイノシシの害

そこで様々な対策が各地で取られています。


物理的に防ぐ電柵・フェンス

例えばフェンスや電柵などで囲って物理的にイノシシを寄せ付けない方法。

フェンスで田畑・集落周りを囲ってある

電柵やフェンスは補助事業なども結構あるおかげか全国各地、今では中山間地では見ないところはないのでは?というくらいに普及しています。

電柵にしてもフェンスにしてもランニングのメンテナンスをしっかり行わないと効果は半減してしまいます。

特に電気柵については雑草が繁茂してしまうと漏電の原因になったりしますので防草シートなどとセットで施工してあるところも多いと思いますが、それでも定期的に草刈りや除草剤の散布などを行いメンテしてあげる必要があるでしょう。

また、獣は分厚い毛皮で覆われていますので肌が露出しているところに直接電気ショックが当たらないと学習してしまい突破されてしまいますので電気柵に関しては設置する高さもキーになります(イノシシなどは鼻の部分にあたらないとあまり効果をなしません)。


獣の特性を利用した忌避剤等

これも色々な商品が出ています。

臭いなどで忌避するものですね、一定の効果はあるようですがどうしても慣れてしまうので他のものと一緒に使うと効果的なようです。

臭いなどの忌避効果ではないですが変わったものでは「竹」を利用するものがあります。

竹を畑の周囲に敷き詰める、これだけです。

イノシシやシカなどは蹄でしっかり土を踏んで歩くので丸く滑りやすい竹などが敷き詰めてあるところは歩きにくく避けるようです。

しかしこれもまた竹を切り出してきて圃場周りに置くのが手間なので広い圃場では現実的な手段ではないかもしれません。


イノシシ対策で一番効果的なのは雑草管理

今となってはなかなか難しいかもしれません。

予防措置です。

野生の獣は姿を見られるのを嫌うので田畑の周りはもちろん、山林との境界面の草もしっかり刈りこんであげることで鳥獣を寄せ付けないようにする方法です。

奥出雲の風景は変わったか?!

いろんな意味で実現が難しいですが、奥出雲のように不可能ではないはずです。

色々な意味で、というのは草管理をする人手・コストの面もありますが、何よりそれをやったから効果があったのか?予防措置には効果測定が困難なことから予算が確保されにくいという面があります。

雑草管理も様々な方法がありますが、一番効果的なのは「草刈り」と考えます。

確かに除草剤や防草シートなどで長期的に雑草を抑える手法がありますが、これでは獣が慣れてしまって多少隠れるところがなくても人がいないということを覚えてしまいます。

これに対して草刈りは現地に必ず草刈りロボットであっても、人力であっても行く必要がありますのでこういったことが抑止力に繋がっていると考えます。

実際に奥出雲では人が入って草刈りをしているので山林の中にあるフェンスもほとんど破壊されてないようです。

さらに、毎年行われている奥出雲の山中をたくさんの人が走って回る「トレイルランニング」が実施されるとその後一月はイノシシはパタッとでなくなると言われていました。

こういったことからも一番効果的なのは草管理、それも可能であれば草刈りかなと考えます。