雑草害解決法を感染症から考える

何か問題が起きたらすぐにその原因を取り除くなどして原因に対する手法を考えがちです。

ここでいう問題とは何かしら原因があって起こる事象のこととします。

今「絵でわかる感染症withもやしもん」という書籍を読んでいるのですがこれがわかりやすい。

昔の感染症に対する考え方は「モノ」と「コト」が一対一で、炭疽病であれば炭疽菌、結核は結核菌という形で感染症学=微生物学 という図式でした。

それが現代科学技術も発達し、様々な微生物を検出することが出来るようになった今は一対一でないことがわかっています。

例えば肺炎であれば肺炎球菌、インフルエンザ菌、インフルエンザウイルスなど多様な細菌やウイルスが肺炎を引き起こします。

絵でわかる感染症withもやしもんP11より

書籍の中でも「モノ」と「コト」をごっちゃにすると混乱してしまうと記されてあります。


現象からアプローチする

本の中にある感染症を診察する医師の話が非常に問題解決法を考える上で大事なことでわかりやすかったです。

それは「コト」=「現象」からアプローチすることが大事で、病院に来た患者は「おれ、最近肺炎球菌に感染してるんっすよ」とはいってこない。

患者は「熱が出ました」「咳が出ています」「だるいです」など「現象」を医師に伝え、医師が問診をして病状を把握していきます。

それと同時に様々な検査を行い、どの臓器に感染しているのかも確かめます。

これは「モノ」の特定も大事だが、どの臓器に感染しているかも「モノ」の特定する上でも役立ちますし、治療法を考える上でも大事だと記されています。

同じ感染症でも肺炎なのか心内膜炎なのかで抗菌薬でも効果に差が出る為、治療法を考えるには菌だけでなく場所の特定も非常に大事になってきます。


雑草害にあてはめる

仕事柄よく「〇〇に困っているのでよく効く薬剤はないか?」という場面にあいます。

これを上の感染症にあてはめると・・「肺炎球菌に感染しているから薬を下さい」となります。

これでは抗菌剤を渡して終了・・・となりますね(汗

それで問題が解決しているのでしょうか?

いや、そもそも農家さんも〇〇という草にきく薬剤などは既に使っていて、その場は枯れた、けども次の年にまた生えてきた(再発!)から困っているのではないでしょうか。

雑草害のケースにおいては病気と異なり手法をいきなり求められることがほとんどですが、そもそもいいやり方はないですか?という聞く側もその聞き方ではなく「現象」からアプローチする必要があります。

例えば、雑草が生えているこの周辺で育てると「農産物の育ちが悪い」「害虫がでやすい」など・・・

こういった問診に加え、医療現場では様々な検査が行われますが、雑草害の場面では例えば過去の施肥管理や土壌分析の結果などで環境をチェックします。

いわばどの臓器に感染したか、のようなものですね。

そうした上で雑草害を正しく把握し、手法を検討していく。といった道筋が良いのではないかと思います。

1 comment on “雑草害解決法を感染症から考える”

  1. Pingback: 節分とマメ – 株式会社ファームプロ

Comments are closed.