ちょっと過激なタイトルですが・・・もちろん全部が全部というわけではありません。
昨日アグリガーデンスクール&アカデミーのホームカミングデイの座談会でお話しした内容です。
農家の仕事とは何でしょうか?
作物を作り販売することです。ひいては人々の食料生産を担うことだと思います。
嗜好品などもジャンル的にあるので当てはまらないものもあるかと思いますが大ざっぱに言えばそういうことだと思います。
農家において目的は食料を生産すること、農法は手段です。
有機農業と言ってしまった瞬間から目的を達成する手段自体を狭めてしまいます。
例えば、修正不可避なほど虫にやられてしまった場合、慣行農法(私はこの言い方はあまり好きではありませんが)をしている人は対処療法的に薬剤散布などで被害の拡大を食い止めることができる時も、
有機でされている人はまき直しをせざるを得ない、そういったことも多いと思います。
明らかにまき時を逸してしまった作物は当然収量も品質も落ちてしまいます。
手段の選択で目的が明らかに修正されてしまっています。
生きていくのに不要な嗜好品であれば、もしくは趣味であればそういったこだわりもありだと思います。
念のため、私はアンチ有機ではありません。
有機で作物を育てるというのは無理筋だとは思いません。ある意味ものすごく理にかなった農法だと私は考えています。
実際に病気も虫もほぼ発生せずに秀品率よく、周辺の農家よりも収穫量が1.2~1.5倍、さらに耕作地も広く人を雇用しながら有機で農業をされている人も何人もいます。
そういった方々はものすごく勉強熱心で科学的知見をもとに有機農業をしています。
それを学びもせず、虫が付くのは農薬を使っておらず安全な証拠だと言い放ってしまっている自称「有機農家」は農家失格だと思います。
とは言いながら、農家も慈善事業ではありません。
ビジネスとして、儲かるための考えは必要です。
これは消費者側にも問題があると思いますが、有機農産物といってしまえば消費者は農薬使ってない安全な農作物だ!というイメージができてしまっています。
つまり有機農業という手段を選択することで自らブランドイメージを構築せずとも生産された農産物に価値が付くわけです。
これは非常に戦略上優位にたてます。
その点を利とみて、多少の減収は仕方ないと考え選択するのは全然アリだと思います。
一番は自分がどのポジションでいくかという自覚がないまま、農薬は危険だから使わないでおこう。農薬使ってないから虫がくるのは仕方ないよね。
と思考が停止してしまっている有機農家は農家ではない。と私は考えます。