黒ボク土といえば関東ローム層を思い浮かべ、関東ローム層は火山灰でできている、と考えている人も多いと思います。
そもそも火山灰とロームは違うもので、ロームとは荒い粒子の砂、中間のシルト、微細な粘土の三つの成分がある一定の割合で混じったものがロームと言われており、火山灰とは定義が異なります。
火山灰は火山灰で火山の噴出物が直接堆積したもの(広義)、その中でやはりこれも大きさでわかれており一番細かい大きさのものが火山灰(狭義)、小さなものから火山灰・火山礫、火山岩塊となります。
話を戻し、黒ボク土は火山灰ではない?というところです。
十和田地域の黒ボク土を調べたもので興味深い論文がありました。
この中にこういった図があります。
6の降下火山灰、約8600年前の噴火によるもので、8の降下火山灰は約6000年前の噴火によるものです。
火山灰である6も8も十和田火山から離れるにつれて厚さは薄くなっています。
その二回の噴火の間(2600年間)に堆積している土の厚さは火山からの距離と関係ないことから火山灰ではないと考えられますが、その中に黒ボクが分布しています。
火山灰でない土でも条件が整えば黒ボクになるということでしょうか。
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