高槻でみてきた断面。
下にある基盤岩と上の表土。
岩の部分には微生物等はほとんど住んでおらず(そもそも分解するエサとなるものがほとんどない)、上の表土の部分に住んでいると思われます。
表土の大事さは何回か触れてきました。
表土、それも最上部のあたりは豊富に有機物もあり、それを分解する菌類もたくさんいます。
表土と炭酸ガスの関係をここでは紹介していこうと思います。
25億年ほど前地球に葉緑素を持った植物が海に出現したことで炭酸ガスが使われ酸素が発生。
海中ではサンゴなどによって炭化物の合成も進み、石灰岩となり堆積し、大気中の炭酸ガスは減り、酸素が増えていきました。
さらに5億年前、陸上植物が現れ炭酸ガスの循環を担うようになりました。
炭素の循環でみると、大気中の炭酸ガスは植物に吸収され炭化物になり、その炭化物の一部は動物を養い、地表で分解されて再び大気中の炭酸ガスに戻っていきます。
こうして海や陸の植物の出現で炭素が循環して一定の濃度を保ってきたのですが、近年本来地中深く循環しないはずの化石燃料の燃焼により炭酸ガスが大気に加わりそのバランスが崩れてきていることが問題になっています。
表土はこうした循環を担う植物にとってなくてはならない基盤のようなもの。
この表土が崩れれば植物の生育は困難になりただでさえ増えてきている炭酸ガスがさらに固定されず大気中に残ってしまいます。
日本では都市開発が進み道路も舗装が進んでいます。
舗装されたところはもちろん植物が生えることはできません。
雨が降りその場で吸収されることなく表面を流れていく雨水は表面流水として別の問題をはらんでいますがそれについてはまた別の機会に紹介したいと思います。
建物を建てるときに建築基準法で定められている建蔽率。
これと同じような形で土壌を保護するためにも緑地スペースを法律などで定め適切な緑地の管理がされるとより良いと思いますが、現状植栽帯の管理もままならない日本では難しいかもしれません。