ブドウの色

昨日のブドウの色について疑問に思った投稿をしていたところ各所からコメントいただきました。

ブドウの名前 クイーンニーナ

どうも品種名が間違っているのではなく、猛暑の影響での着色不良が原因のようでした。

地域によっては赤系品種は温暖化の影響もあり着色不良を起こすため緑系を推奨していくところもあるようです。

登熟期間の高すぎる気温が着色の元となるアントシアニンのブドウ果皮への集積を阻害するようです。

色々調べてみたところ複数原因があるようで、そもそも種無(無核)は種有(有核)に比べて着色しにくい傾向にあるようです。

有核の方が果実への転流量が明らかに多い品種もあるようでした。

この辺りは植物の生存本能というか、核があるところに多く栄養を持っていくようなっているのでしょう。

ブドウ‘巨峰’のジベレリン処理果実と無処理果実の品質の差異(2012年福岡県農業総合試験場)

昨日のコメントでもご指摘いただいていた高温での着色不良についても単純にアントシアニン合成阻害以外にも原因があることがわかりました。

Vitis vinifera ブドウ果粒のアントシアニン代謝に及ぼす温度の影響

こちらによると総アントシアニン量は25℃が一番高く、15℃、35℃の順に含まれていたようです。

35℃では2日目以降アントシアニンの種類によっては含有量が著しく減少したようでいったん合成されたアントシアニンが代謝により分解された可能性もあるようです。

最後に着色と糖度の関係についても見つけました。

糖蓄積がブドウの着色に及ぼす影響

これによると着色が良好だからと高糖度というわけではないようですが、低糖度の果房は着色不良になる品種が多いようです。

考察では着色をよくさせるためには高糖度の果実を生産することも重要とあります。

ここではサニードルチェだけが負の相関になっており糖度の高低関係なく着色が一定だったようです。当たり前ですが品種間による差もあるようですね。

ゴルビー・早生甲斐路・クイーンニーナでは糖度と着色程度に強い関係が認められたようで、昨日のクイーンニーナも色づいたものはより美味しくなると予想されます。是非食べてみたい!!

この文献を見ると2011年は着色には条件の良い年であったようで着色期の平均気温が他の年度よりも低かったようです。

着色期の温度が高かったにもかかわらず糖度も着色も良好だった年は日照時間が長かったようで、特にクイーンニーナの着色は温度以上に日照の影響を大きく受けると推測されている。

巨峰・ピオーネ・藤稔は糖度と着色に関連が見られたが赤系ほどではなかったようです。

ブラックビートは糖度と見た目の着色の関連は弱く、どの年でも着色が良好だったようです。

ということでより赤くなったクイーンニーナを食べたくなりました。

さらにこのバイオレットキングもきっと着色不良なのでしょう・・・