タピオカ

タピオカは30年近く前にも流行っていましたがまた流行っていますね。

近所にタピオカ研究室というお店ができていて、連日並んでいたにもかかわらず昨日は一人もいなかったので本当に久しぶりにタピオカを購入しました。

タピオカはキャッサバというイモからとれたデンプンのことで、そのデンプンを製造する方法をタピオカと呼ぶことからその名がついたようです。

キャッサバはトウダイグサ科、トウダイグサ科といえばあまりコニシキソウなどが日本ではよく見かけます。

トウダイグサ科は有毒種が多い一方経済的利用価値の高い植物が多く、タピオカの原料となるキャッサバの他、パラゴムノキや油を取ったり、ロウソクのロウを取る原料になったりするものまであるようです。

さて、タピオカの原料となるキャッサバですが、トウダイグサ科は有毒種が多いと紹介しましたが、このキャッサバも有毒でリナマリンという青酸配糖体を含みます。

有毒部位は葉と根、タピオカは根の部分を処理するため有毒部位ですね。

リナマリンはヒトにおいては腸内細菌や酵素にさらされると猛毒なシアン化水素に分解されることから、うっかり食べて腸に達してしまったら中毒症状になるということですね。

キャッサバのリナマリンはこのような構造式でOH基がたくさんあり水によく溶けると思われます。


Fvasconcellos投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる

ということは、無毒化するには、切って水にさらすことでリナマリンが溶け出し食べられるようになるわけです。

もう一つ、 実はこの有毒なリナマリンを分解する酵素のリナマラーゼはキャッサバの細胞壁にも蓄積されているようで、細胞壁が壊れて有害部位と混ざると無毒化するようです。

リナマラーゼで発生する猛毒のシアン化水素は揮発性・親水性が高いことから、すりおろしたものを水にさらせば食べられるようになるようです。

タピオカ粉にするのであればすりおろしても問題なさそうですね。

そのまま食べれば細胞壁が壊れてリナマラーゼとリナマリンが混ざり有害なシアン化水素が出ることから外敵から身を守る進化の結果えた機能だと思うのですが、利用する私たちからすると解毒剤が一緒にある状態なので収穫後すぐに腐ってしまうキャッサバイモにおいては現場で加工ができありがたいですね。