コロナウィルス問題から考える、結果管理の問題

コロナウィルスの影響があちこちで出ています。弊社で請け負っておりました講演や勉強会も福岡県内で行われるものは全て中止の連絡がありました。

あちこちから指摘されているよう日本の危機管理意識は非常に低い。といってしまうのは簡単ですが、それではなぜこんなに低いのか?ということを一つの見方でしかありませんが考察していきたいと思います。

日本は、目的と手段、原因と結果。これをごちゃまぜにしているのがよくないのではないかなと思います。
雑草問題でいうなら、雑草が繁茂して非常に鬱陶しい!刈り取ってしまえ(薬剤散布だ!)。
これは雑草が繁茂し何らかの問題が起きてしまった、という「結果」から刈り取りや薬剤という「手段」に飛んでしまっています。

本来であれば、その結果(どの草種が何の問題を起こしているのか)の原因(なぜその草種が増えたのか)は何かを考え、どういう状態にするとよいのか目的を設定し、手段を講じる。

日本では結果からいきなり手段になってしまっているのです(結果管理)。

戦後日本は海外から便利な化学肥料や薬剤がもたらされました。
伸び悩んでいた食糧生産効率は飛躍的に向上し、ツールに着目していきます。
良くも悪くも日本は技術力が優れていたのでツールの開発が進んできました。

技術力が高かったために何か起きてしまってからの結果管理でよかったわけです。

海外から手段だけがもたらされ、その手段だけを開発してきた日本は原因を考察し、目的を導き出すという頭がどうも諸外国に比べると薄いようです。

感染症に関しては、戦後日本はマラリアの汚染地域でした。それを解消してくれたのはGHQですが、GHQが日本を衛生的によくしようと考えたわけではなく、進駐軍の安全性を確保するためにマラリア対策を講じたのです。

殺虫剤で蚊を殺しまくった?

違います。

マラリアを媒介する蚊の発生源を突き止め、琵琶湖のヨシ刈を行ったのです。

琵琶湖湖畔のヨシや雑草を刈り取り、蚊の発生源を潰したのちにDDTをまいたのです。

雑草管理において重要なのは今の問題はなぜ、何が原因で起きたのか?それを解消するにはどうすればいいのか?目的を設定して、手段を考えていきましょう。

人類の繁栄に害となるものをペストといいます。
そのペストにウィルスはもちろん入っています(日本もウィルスが入っていますが雑草は入っていない)。
今回の初動対応も繁栄に害となるものへの対応はアメリカでは「軍」が行います。
なので中国から移送された人たちは空軍基地に直接移送され隔離されています。

欧米は科学という手段でペストと戦ってきたのでそれを食い止める姿勢が日本のそれとはかなり違っていますね。

結果管理でツールに頼ろうとするから隔離があまくなる。
未知のものに対しての日本の脆弱性を感じました。

もっとも、この根底にある人(もっというと自然)を信用しているから成り立っている社会というのはすごく希有で世界に誇れるものだとも思いますが悪く出る面もあるということでしょうか。